今月の主題 内科エマージェンシー
症状からみた内科エマージェンシー
意識障害—せん妄
重松 一生
1
,
宇高 不可思
2
,
亀山 正邦
3
1京都大学医学部・神経内科
2住友病院・神経内科
3住友病院
pp.1116-1118
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222542
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せん妄は,広範な脳代謝の異常によって生じた,認知機能の一時的な障害を特徴とする精神症候群と定義され1),日常の臨床でしばしばみられる病態である.せん妄とは異常行動そのものではなく,意識混濁を背景にして幻覚や精神運動興奮を示す状態のことをさす.このような状態は種々の身体疾患や脳疾患を基礎に発生するが,通常は一過性,可逆性である.しかしこれに伴う異常行動は時として生命予後にも影響をおよぼすので,早期診断と適切な治療が必要である.
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