今月の主題 内科エマージェンシー
救急基本手技
救急蘇生法
新 博次
1
,
高野 照夫
2
1日本医科大学・第1内科
2日本医科大学・集中治療室
pp.1076-1081
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222528
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心肺機能の停止に際し,種々な方法により呼吸ならびに血液循環を維持し,各臓器の不可逆的障害を防止することを目的として行う手技が心肺蘇生法である.わが国においても「救急蘇生法の指針」1)が日本医師会によって昭和58年度に再編されるなど,その重要性が認識されるに至っている.
救急蘇生法の指針によれば,特殊な器具や薬品を用いることなく行える気道の確保,人工呼吸,胸骨圧迫心マッサージからなる一次救命処置と,医師または十分に訓練を受けた者が医師の指導下にその一部を行うものとされる二次救命処置,すなわち器具を用いた気道確保,静脈確保や救急薬品の使用を含む人工的循環維持,そして心停止に対する処置を行うものとに分けられている.図1にAからIまでの心肺蘇生法の手順を図示する.このうちA,B,Cの3段階は一次救命処置として行われるが,必要に応じて二次救命処置がとられなければならない.本項では,これら救急蘇生法の手技につき解説する.
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