今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate
糖尿病性合併症の管理・治療
低血糖昏睡—外来管理から入院管理 "Do & Do not"
日高 秀樹
1
,
繁田 幸男
1
1滋賀医科大学・第3内科
pp.976-977
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222510
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- 文献概要
●低血糖昏睡とは
低血糖昏睡は糖尿病患者の意識障害で頻度の最も高いものであり,血液中のブドウ糖濃度が低下し,脳をはじめとした神経組織へのエネルギー供給の不足により,意識の低下を含む神経学的症状,症候を示す状態をいう.低血糖状態が長時間持続すると不可逆的な脳障害を残すのみでなく,時に死に至ることもあること1)から緊急な対処を要する.一般に,低血糖による症状は血漿ブドウ糖濃度が55mg/dl(3mM)以下に減少した場合に現れるが,健常者においてもとくに女性においては,なんら症状を示すことなくこの血糖のレベルにまで低下する場合がある2).
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