今月の主題 新しい不整脈診療
新しい用語の解説と臨床例
long RP' tachycardia—上室性頻拍の新しい概念
鈴木 文男
1
1東京医科歯科大学・第1内科
pp.22-23
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222264
- 有料閲覧
- 文献概要
long RP' tachycardiaとは,いわゆる上室性頻拍のなかで,頻拍中のP波の出現時相が,先行するQRS(R)波よりも,それにひき続くR波に近接するタイプの頻拍のことをいい,したがって,R-P'/P'-Rの比が1よりも大きい頻拍のことである.この際,P'波と表記するのは,この心房波の由来が洞性のものではなく,異所性P波ないしは逆伝導性P波であることを示すためである.
本タイプの頻拍が注目をひくようになったのは,1967年,Coumelがその心電図的,電気生理学的特徴を報告してからである1).
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.