今月の主題 輸液・栄養療法
電解質輸液の基本的ルール
輸液剤の分類と特性
富田 公夫
1
,
丸茂 文昭
1
1東京医科歯科大学医学部・第2内科
pp.2762-2766
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222223
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ヒトは通常の状態においても,皮膚や肺からの不感蒸泄で800〜1,000mlの水分を消費し,また腎から代謝物の排泄に少なくとも500mlの水分を必要としているため,疾病により経口摂取が低下した場合には,エネルギー・栄養分を含め水・電解質の補充が必要になってくる.水・電解質輸液では,内科領域においては高張性,等張性を含め脱水を主体にしたものが多く,比較的短期間のものが多い.次いで,Na,K,Ca,Pなどの単独の欠乏症に対する輸液が特徴的であろう.輸液剤の選択にあたっては,まず病態を的確に把握し,水分の補給なのか,電解質の補給なのか,エネルギーの補給なのかを明確にし,その目的に最も適した輸液剤を選択し,常にinとoutのバランスを計算しながら行うべきであり,ただ漫然と輸液を続けるようなことがあってはならない.
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