今月の主題 腎疾患診療の実際
ネフローゼ症候群
膜性増殖性腎炎
中本 安
1
1秋田大学医学部・第3内科
pp.2610-2613
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222185
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膜性増殖性糸球体腎炎〔membranoproliferativeglomerulonephritis(MPGN)またはmesangiocapillary glomerulonephritis(MCGN)〕の出現頻度は内外ともに腎生検対象例中の2〜8%,あるいは一次性糸球体疾患中の約5%を占める.本症は特徴的な糸球体変化,高頻度に持続性低補体血症を伴う点,および難治性かつ進行性経過を示す点で特異な糸球体腎炎の一型となっている.同様の糸球体変化は,ループス腎炎,クリオグロブリン血症,肝硬変症,部分的脂肪異栄養症など種々の全身性疾患に伴って発現しうるが,ここでは一次性または特発性MPGNの病理変化,臨床所見,治療,予後について概括したいと思う.
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