増刊号 診断基準とその使い方
XI.小児
4.再生不良性貧血(小児)
長尾 大
1
1神奈川県立こども医療センター・小児科
pp.2294-2296
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222097
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■診断基準
再生不良性貧血(aplastic anemia)は,多能性幹細胞の異常であり,骨髄は低形成となり,3系統(赤血球・好中球・血小板)の全てが減少する汎血球減少症(pancytopenia)を示す.しかし,詳しく考えると,いろいろな病因により発生し,病態もまたさまざまである.従って,単一包括的診断基準を作ることはかなり難しい作業である.現在,最も広く用いられている診断基準は,表1に示した,厚生省再生不良性貧血研究班(日比野進班長)により作られたものである1).
再生不良性貧血はさらに,特発性・二次性(肝炎・薬剤などに伴う)・先天性などに分けられる.小児科においては,特に先天性再生不良性貧血が問題となる.先天性再生不良性貧血も幾つか知られているが,主なものの診断上の特徴を表2に示した2).先天性再生不良性貧血の中には,貧血のみを示すことの多いDiamond-Blackfan型赤芽球凄(pure red cell anemia)や,好中球減少症のみから汎血球減少症まで示すShwachman-Diamond症候群なども含められている.
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