増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
3.Subcortical Arteriosclerotic Encephalopathy(いわゆるBinswanger病)
東儀 英夫
1
1岩手医科大学・神経内科
pp.2202-2203
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222061
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■疾患概念と疫学
この病態はBinswanger(1894)によって最初に記載されたものであり,脳血管障害による白質の禰漫性の脱髄を主要所見とする.Encephalis subcorticalis chronica progressiva(Binswanger,1984),subcortical arteriosclerotic encephalopathy(Olszewski,1962)あるいはBinswanger病とも呼ばれる.しかし,Binswangerの報告は肉眼所見の記載のみであったため,のちにさまざまな解釈の余地を残した.本来は病理学的な概念であるにもかかわらず,病理学的な定義も厳密になされていない.Binswanger病という名称を避けるべきであるという意見もある.しかし,CTやMRIが用いられるようになってから,CT上,白質の瀰漫性の低吸収域を呈する例,あるいはMRIでperiventricular hyperintensityを示す例をBinswanger病として扱った論文が多数みられるようになった.
そこで,現在どのような例がBinswanger病として扱われているかを念頭において,診断基準(案)(表)を作成した.
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