増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
26.悪性眼球突出症
小西 淳二
1
1京都大学医学部・核医学科
pp.1920-1921
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221950
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■疾患概念と疫学
悪性眼球突出症とは主としてバセドウ病に伴う眼症状のうち,特に進行性で重症のものをいう.厚生省のホルモン受容機構異常調査研究班(井村裕夫班長)の調査1)ではバセドウ病患者のうち0.8%の頻度にみられ,212例の本症患者の男女比は1:1.06とほぼ男女同数であった.バセドウ病の男女比は1:4であるので,この比率は男性バセドウ病患者での悪性眼球突出症の発症率が女性に比べ4倍高いことを示している.初診時の年齢分布では40歳代にピークを示し,一般のバセドウ病患者ではそのピークが20歳代にあるのに比べ高齢であり,大多数が中年以後の発症である特徴を有する.
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