対症看護講座 精神神経症状
頭痛,肩凝り,めまい,耳鳴り,のぼせ,興奮など
塚本 信一
1
1東京都立広尾病院産婦人科
pp.20-22
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203222
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はじめに
頭痛,肩こり,めまい,耳鳴り,のぼせ,興奮etc(以下頭痛などの症状と略す)は,それぞれ独立した症状として取り上げることもできるが,これらを一括して,主として頭部に現われる自律神経系障害の症状として取り上げることもできる.自律神経系は,主として内臓を支配しているものであるが,また一方情緒的因子(喜怒哀楽など)によって大きく影響を受けやすい特性もあるので,自律神経系の症状は,①内臓に明らかな病変があって現われるもの(器質的障害)か,②病変がなくただ上述のような因子の刺激によって起こった機能的障害なのか,③また両者の合併したものなのか,三つの場合がある.すなわち診察,検査によって明らかな病変が認められない場合も多く,最近ではストレス説のごとく,かかる立場から起こる症状も問題になっていることは周知のごとくである.頭痛などの症状も,つわり症状や,昔からいわれる産褥期の血の道症(産褥期自律神経症),または更年期障害などと同じく器質的変化の認めがたい機能的障害症状と見られないであろうか.
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