今月の主題 リウマチとその周辺
周辺疾患
感染性関節炎
花田 徹野
1
,
松岡 康夫
1
,
入交 昭一郎
1
1川崎市立川崎病院内科
pp.1026-1027
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221716
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関節内へ微生物が侵入することによって引き起こされる感染性関節炎は,抗生剤の進歩した今日では早期診断,早期治療によって完治しうる疾患となった.しかし罹患患者をみると慢性消耗性疾患やステロイド剤,免疫抑制剤などの投与を受けている,いわゆるimmunocompromised hostが多く,この場合しばしばその定型的症状を欠くために治療時期を逸し,不可逆的な関節の障害を残したり,場合によっては死に至る症例も稀ではない.また人工関節置換術や関節内ステロイド注入が広く行われるようになった今日,それに伴う医原性の感染性関節炎も増加してきている.
感染性関節炎を引き起こす微生物は細菌をはじめウイルス,クラミジア,真菌,スピロヘータなど様々であるが,感染性関節炎の大半は細菌によるものであり,本稿では誌面の都合もあり細菌性関節炎を中心に述べ,最後にウイルス性関節炎とスピロヘータによる関節炎につき簡単に触れる.
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