特集 外来診療・診断のピットフォール
各論:代表的な疾患のピットフォール 骨・関節
化膿性関節炎だと思ったら少関節炎型若年性特発性関節炎
森 雅亮
1,2
MORI Masaaki
1,2
1東京科学大学生涯免疫医療実装講座
2聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.562-564
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002370
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症例
初診時7歳,女児
主訴:右膝関節腫脹
現病歴:小学1年生の夏休みに一輪車の練習時に転倒して,右膝部をコンクリート地面に強く打った。打撲部皮膚は創傷のため出血や内出血のあとがみられ,腫れや痛みも著明であった。自宅にて市販の消毒薬,冷湿布薬,鎮痛薬で患部に対応し数日経過を観察していたが,疼痛・腫脹もおさまらず,熱感も伴うようになった。このため,近医整形外科を受診し,右膝関節部X線検査を受けたが骨折像はみつからず,打撲傷による関節腫脹と診断され数日自宅にて安静を勧められた。その後,2週間を経ても右膝部の腫脹は持続し,疼痛による歩行障害もみられたため,精査目的で紹介となった。

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