今月の主題 リウマチとその周辺
周辺疾患
変形性関節症
五十嵐 三都男
1
1東京都老人医療センター整形外科
pp.1024-1025
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221715
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■用語と定義
変形性関節症はarthrosis defomansを訳したものである.同義語としては,そのほかにosteoarthritis,osteoarthrosis, arthrosis, degenerative joint diseaseなどがある.
変形性関節症は老人の疾患である.この疾患を定義すれば,「関節軟骨の消耗およびすりきれと骨新生によって特徴づけられる関節の非炎症性疾患」である.変形性関節症の病理学的所見についての記載は18世紀半ばより見られるが,慢性関節リウマチと区別がつけられていなかった.Rudolf Virchowも1869年,Arth-ritis deformansという語を使用しているが,これは慢性関節リウマチと変形性関節症の両方を意味するものであった.慢性関節リウマチと変形性関節症とが明らかに区別されるようになったのは,驚くべきことに今世紀に入ってからである.現在から見ると非常に明らかな関節疾患の区別になぜこのような長時間が必要であったのか.慢性疾患の研究は困難であることの好例であるかもしれない.
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