今月の主題 リウマチとその周辺
治療
リハビリテーション
橋本 明
1
1国立伊東温泉病院
pp.1002-1004
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221707
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
RAでは関節の慢性炎症に基づく疼痛や筋力低下のため,発病早期から運動能の低下が認められるが,炎症の持続による関節破壊の進行と共に関節可動域の減少,拘縮や強直などの非可逆性病変が加わり,患者の日常生活動作(ADL)の障害と肢体不自由の程度は罹病経過年と共に着実に増大する.
図は日本リウマチ友の会がまとめた会員5,600余例のアンケート調査資料1)から計算したリウマチ患者のADL指数の平均的自然経過を図示したものであるが,罹病経過年と共に日常生活機能の喪失が着実に進行し,寝たきり患者が増加していく様子が読みとれる.重要なことはこれら患者のほとんど(96%)が発病来ずっと継続して(83%),あるいは悪い時だけでも(13%),何らかの形で医療を受けている事実で,このことは従来一般的に行われている薬物療法中心の治療方式では,このようなRA患者の肢体不自由の進行に歯止めをかけえないことを物語っている.RAのリハビリテーション(以下RAリハと略)の最大の目標は,どのようにしてこの休みなき肢体不自由の進行を阻止し,失った運動能の再建をはかるかにある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.