研究と報告
慢性関節リウマチに対する基礎療法としての患者指導の試みとその効果
鈴木 かほる
1
,
久保田 智子
1
,
磯村 房子
1
,
永井 美保
1
,
白滝 律子
1
,
橋本 明
2
,
井上 哲文
3
1国立伊東温泉病院
2国立伊東温泉病院内科・リウマチセンター
3東京大学医学部物療内科
pp.277-282
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921943
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はじめに
慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis,以下RAと略す)の経過においては,多くの場合,多発性関節炎が寛解と増悪を反復しながら持続する中で,徐々に関節機能障害が進行し,日常生活動作が制限されるに至る.
そしてその治療に際しては,基礎療法,薬物療法,リハビリテーションの3者をバランスよく施行することによって,炎症活動性のコントロールや関節機能の維持および改善が可能となる1).この過程で,患者に対し,本疾患に関する理解を促すことは,薬物の効果と副作用,リハビリテーションの方法と至適量,日常生活における諸注意や適正な関節負荷量などを患者自身が把握する上で有用であり,本疾患の基礎療法の中で重要な位置を占める2).このような患者指導には,医師,看護婦,理学療法士,薬剤師などのそれぞれの担当領域に属する諸項目が含まれることになるが,中でも,看護の担う役割は大きい.しかしこれまでのところ,この点に関する実践は必ずしも充分でなかったと考えられる.
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