今月の主題 リウマチとその周辺
治療
ステロイドの使い方
延永 正
1
1九州大学生体防御医学研究所内科
pp.988-989
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221702
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副腎皮質ホルモン(ステロイドと略)は慢性関節リウマチ(RA)を含めた膠原病の治療には欠かせない薬剤である.特に全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎/多発性筋炎,多発性動脈炎などには第1選択の薬剤であり,必須といってよい.RAに関しては血管炎などを伴った重症例には不可欠であるが,通常のRAには原則として用いるべきでないとされている.確かに使用時には自他覚的な改善をみるが,それを維持するためには副作用を覚悟しなければならないからである.もちろんRAの進行を抑えることもできない.よってRAにはステロイドのメリットはないことになり,原則として用いるべきでないという結論になるわけである.
しかしその抗炎症作用はやはり強力で,現存する非ステロイド性抗炎症例(NSAID)の効果がもう一つ弱いこともあって,RAにおける使用頻度は必ずしも低くないのが実状である1).以下その使い方について述べる.
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