今月の主題 今日の心不全診療
基礎疾患による治療法の選択
心原性ショック
佐藤 光
1
,
立石 博信
1
,
内田 俊明
1
,
土手 慶五
1
1広島市民病院内科
pp.646-649
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221627
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救急車でCCUへ患者が到着する.ただちに現学的所見,両上腕での血圧,血液ガス,血液・生化学的諸検査,心電図,胸部X線,超音波心臓ドップラー検査を行う.血圧90mmHg以下,意識水準の低下,冷汗から心原性ショックと診断する.乏尿は重要なショックの条件であるが,入院時ただちには分からないことが多い.これらは心臓に主因を要する各臓器の循環不全による臨床症状と考えられる.心原性ショックが,心筋梗塞を主とする冠動脈疾患,心筋症などの心筋疾患,弁膜症,心外膜疾患,さらには不整脈によるものか鑑別する。一方,血管確保し,症例によってはただちにSwan-GanzCatheterを挿入し,血行動態指標を測定する.いずれにしても,できるだけ早く昇圧をはかると同時に利尿をはからねばならない.
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