今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍と類縁疾患
老人性潰瘍
岸 清一郎
1
1徳島大学医学部・第2内科
pp.480-481
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221588
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近年,高齢者の増加,社会的環境の変化など種々の要因により老人性潰瘍が増加傾向にある.平均寿命が延長した今日,老人を年齢のみで規定するのは適当でないかもしれないが,日本老年医学会では60歳以上を老年者としているため,60歳以上にみられる消化性潰瘍を老人性潰瘍としている報告が多い1〜5).老人性潰瘍がすべての点で若年者のそれと異なるとは考えられないが,胃潰瘍では,発生部位,潰瘍の大きさ,背景胃粘膜,症状,胃液分泌,合併症など多くの点において両者間に相違が認められることも事実であり,治療にあたっても特別な配慮が必要なことも知られている.本稿では,老人性潰瘍の特徴および治療法について述べる.
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