今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍の成因
酸分泌(酸分泌機構を含む)
武藤 弘
1
1筑波大学臨床医学系・消化器内科
pp.396-397
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221560
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消化性潰瘍の原因論の多くは酸分泌との関連についてのものであるが,決定的なものはない.消化性潰瘍の発生における酸の重要性はSchwarzのno acid,no ulcerの仮説をもち出すまでもなく,日常診療においても身近に感じられるところである.特に最近のH2 receptor antagonistsの発達は,その革命的ともいえる抜群の病状消失の速効性,治癒期間の短縮により,酸の重要性を再確認させている.しかし,そのH2 antagonistsをもってしても,治癒しえない潰瘍の存在,再発の問題などが残っており,消化性潰瘍の問題は解決しえないことを物語っている.
ここでは,酸分泌機構およびそれと消化性潰瘍との関連についてまとめてみたい.
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