今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍の成因
mucus-bicarbonate barrier
重本 六男
1
,
川村 雅枝
1
,
横山 泉
1
1東京女子医科大学附属成人医学センター
pp.398-400
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221561
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"no acid, no ulcer"の言葉はあまりにも有名であり,酸は潰瘍発生に不可欠な存在といわれている.しかし,実際には過酸症は胃潰瘍で10%,十二指腸潰瘍でも30%位と言われ,潰瘍発生が防御因子と攻撃因子の破綻から生ずるとすれば,防御因子が潰瘍の発生に大きく関与していることは推測される.
粘膜防御機構の概念は,"健康な胃粘膜がなぜ150mmol/lの強酸に抵抗できるか"という命題に完全に答えうるものでなければならないが,その一つとしてmucus(粘液)-bicarbonate(重炭酸イオン)barrierの存在は大きい1〜3).
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