今月の主題 白血病とリンパ腫
診断のすすめ方
染色体分析と利用方法
鶴岡 延熹
1
1昭和大学医学部・第2内科
pp.26-29
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221470
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1960年のPh1染色体の発見に始まった白血病の染色体分析は,今やその診断,病態の把握に不可欠のものになっている.分染法の発達により,約1,700の領域が観察できるといわれ,形態学的に細かい解析が可能になった.また,癌遺伝子(oncogene)の染色体上における局在が明らかになり,染色体異常と癌遺伝子の活性化との関係も明確になりつつある.本来,臨床医学というより,生物学,細胞学(核学)として発展した分野であるため,臨床家にとってとかくなじみにくい部分もあるが,白血病や悪性リンパ腫を対象とする場合,染色体の知識は避けて通ることは許されないものである.本稿では,臨床家として,染色体分析を利用する立場に立って要点を記述してみたい.
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