カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方
免疫不全症候群にみられる皮膚変化
石川 英一
1
,
石川 治
1
1群馬大学医学部・皮膚科
pp.2778-2779
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221456
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生体の防御機構には,T,Bリンパ球による細胞性および液性免疫機構,好中球による貪食機能を含む一連の反応が関係している.従って,これらの機能異常は免疫不全状態を起こす.皮膚に慢性・反復性の感染を認めることが多い.さらに慢性肉芽腫症,Job症候群,Wiskott-Aldrich症候群,IIおよびIII型原発性免疫不全症などでは湿疹病変を,lazy leukocyte syndromeでは歯肉・口内炎を,Chediak-Higashi症候群では色素異常を,ataxia-telangiectasiaでは毛細血管拡張を認め,これらが原疾患発見の端緒となることが少なくないので,注意深く観察する必要がある.本文では原発性(病因不明もしくは先天性)の免疫不全症候群にみられる皮膚所見について述べる.
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