今月の主題 虚血性心疾患の最前線
狭心症のconventional treatment
薬物治療のend point
大村 延博
1,2
,
土師 一夫
1
1国立循環器病センター・内科心臓部門
2東京慈恵会医科大学・第2内科
pp.2358-2360
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221354
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狭心症の治療目的は,狭心発作を除去,予防して日常生活の質的向上を得るとともに,心筋梗塞の発症を阻止して延命効果を計ることにある.その方法はこれまで,内科医が行う薬物治療と外科医が行う冠動脈バイパス術に二分されていた.したがって,解剖学的に冠動脈バイパス術が施行可能な症例において,薬物治療がend pointに到達することは内科治療の断念を意味しているため,密度の高いものが求められた.
しかしながら近年,閉塞性冠動脈疾患のより直接的でしかも内科医が行い得る治療法として経皮的冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈内血栓溶解療法が登場して以来,薬物治療のend pointのレベルは一歩後退した感がある.さらに最近では,冠動脈造影検査が安全に施行できるようになり,入院と同時に本法を行って,薬物治療の効果を十分評価する前に最終的治療手段を決定する場合も少なくない.
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