増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅰ 感染症治療薬
抗生物質の使い方
30.スルバクタム/セフォペラゾンの使い方
後藤 純
1
1大分医科大学・第2内科
pp.1816-1817
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221150
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β-lactam剤に対する細菌側の耐性機構として,細菌が産生するβ-lactamaseによるβ-lactam環の開裂,グラム陰性桿菌の場合,多量のβ-lactamase剤が強く結合することにより薬剤が作用点まで到達できなくなるいわゆるトラッピング現象1),β-lactam剤の作用部位であるムレイン架橋酵素の遺伝的変異,グラム陰性桿菌外膜による薬剤の通過障害,があげられる.この中で,β-lactamaseによる薬剤の加水分解が耐性の主役となっている.したがって,β-lactam剤の改良の主力目標の1つに,β-lactamaseに対して安定な薬剤の開発がある.今日,この目的のために,β-lactamaseに安定な薬剤の開発と,β-lactamaseを特異的に阻害する薬剤との合剤の開発が行われており,本稿で述べるスルバクタム/セフォペラゾン(SBT/CPZ,スルペラゾン®)は後者に属する.
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