今月の主題 閉塞性肺疾患の診断と治療
閉塞性肺疾患の病態生理
労作時呼吸困難とその発生機序
保坂 公夫
1
,
立田 秀生
1
,
森 憲二
1
1東邦大学医学部第4内科,呼吸器診断部(大橋病院)
pp.2061-2063
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902465
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●労作時呼吸困難とは,PaO2低下,PaCO2増加による換気命令と,その結果としての換気運動とが釣り合っていないと(高位の中枢が)認識したとき生じる呼吸困難感である.
●労作時呼吸困難は運動による心拍出量増加に対して,ガス交換が追随できないことにより生じる.すなわち,①肺胞換気量増加,または②有効な肺胞血流量増加が追いつかない,のどちらにも由来する.
●労作時呼吸困難は急性呼吸不全のPaO2の程度によく比例するが,慢性呼吸不全では安静時のPaO2,PaCO2と常には並行しない.
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