今月の主題 炎症性腸疾患とその周辺—診断と治療
診断
Simple ulcerとその鑑別診断
松川 正明
1
,
山田 聡
1
,
碓井 芳樹
1
,
根来 孝
1
,
韓 東植
1
1順天堂大学医学部・消化器内科
pp.244-245
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220806
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いわゆるsimple ulcerには,Behçet病に併発した回盲部の潰瘍性病変と非特異性の潰瘍性病変がある.これらの病変は,肉眼的にも組織学的にも鑑別が困難である.これらの鑑別は全身性疾患であるBehçet病に特有な併発病変(口腔粘膜のアフタ性潰瘍・外陰部潰瘍・ブドウ膜炎など)の有無によって行われる.
自験例ではいわゆるsimple ulcerは16例で,Behçet病に併発した潰瘍は6例,非特異性潰瘍は10例であった.自験例でも,全身症状がなく非特異性潰瘍とした例でも,後日特有な併発病変が出現したためBehçet病としたものがあった.
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