今月の主題 感染症の動向と抗生物質
院外感染
尿路感染症
斎藤 篤
1
1東京慈恵会医科大学・第2内科
pp.1660-1663
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220555
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尿路感染症は呼吸器感染症についでよくみられるポピュラーな疾患であり,女性の10〜20%は一生のうちに少なくとも1回は尿路感染症に罹患するとさえいわれている.
従来,尿路感染症と診断するには,尿中細菌定量培養法によって細菌尿陽性(105/ml以上)を証明することが最も重要な条件であった.しかし,急性発症の排尿障害を主訴に外来を訪れる成人女性のなかには,上記の診断基準を満足しないものも少なからず経験される.そこでKomaroffは,急性に排尿障害をきたす病態を7つの疾患群に分類することを提唱するとともに,それらの診断に際しての尿沈渣所見の重要性を強調した論文を発表している.
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