今月の主題 めまいの臨床
めまい・平衡障害の診断
めまい診断のための神経学的検査法
宇高 不可思
1
,
亀山 正邦
1
1京都大学医学部・神経内科
pp.2584-2586
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220130
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「めまい」は回転性めまい(vertigo)と,非回転性めまい(dizziness,ふらつき,よろめき,眼前暗黒,脱力感などをふくむ)とに分けられる.一般に,末梢前庭系の障害ではvertigoが,中枢神経系の障害に伴う場合にはdizzinessが多いとされているが,例外もまれではない.
「めまい」を伴う疾患ないし病態は多岐にわたる(表)1,2)が,放置してよいものから,重篤な中枢神経疾患に至るまで,予後はさまざまであり,正確な鑑別診断が重要である.「めまい」をとくに重視しなければならない場合として,①vertigoがあり,かつ悪心,嘔吐を伴う場合,②反復する場合,③聴神経その他の脳神経の異常を伴う場合,があげられる2).本項では,「めまい」を訴える患者の診察に際し,ルーチンに行うべきベッドサイドでの神経学的検査法について,簡単に述べることにする.
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