境界領域 転科のタイミング
慢性膵炎
山内 英生
1
,
宮川 菊雄
1
,
深谷 雄一郎
1
1東北大学医学部・第1外科
pp.2072-2076
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220028
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各種画像診断の開発,進歩により,膵疾患においても診断学的位置に占めるこれら診断法の重要性が高まっている.このような背景をもとに,慢性膵炎の診断基準も改正され1),症例数が増加している.1950年代から1980年代までの文献的集計を行ったWorning2)の報告によっても,慢性膵炎の発生頻度は1960年代に比べ1980年代では6.6倍に増加しており,成因についてはアルコールの占める割合が急増し,死亡率は16.8%から26.2%へと上昇している.進行性難治性疾患とされている本症の進行をいかに阻止し,治療するかは重大な問題である.本症の多くは内科的治療によっているが,その中には外科的治療を必要とする症例もある.本症は良性疾患であるため外科的治療は手術成績や遠隔成績,内科的治療との対比から検討されるべきものである.本稿では筆者らの手術成績を中心に,慢性膵炎の外科治療およびその時期について検討を加えたい.
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