今月の主題 循環器薬の使い方
急性心筋梗塞
急性心筋梗塞における薬剤の選択基準
高野 照夫
1
,
子島 潤
1
Teruo Takano
1
,
Jun Nejima
1
1日本医科大学付属病院・集中治療室
pp.1196-1197
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219119
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急性心筋梗塞の治療の原則は,発症直後に出現する心室細動や心室停止による不整脈死の予防と,ポンプ不全への進展を未然に防ぐために,梗塞巣を最小限にとどめることである.それゆえ,いかにはやくCCUに収容し,その監視下に置き,不整脈を予防および治療するかであり,また,閉塞冠動脈を再開通せしめ,心筋壊死に陥るのを防ぐ治療法を行うかにある1).さらに,心筋壊死が大きく心機能障害をきたしたものには心機能を改善させ,心筋壊死巣を最小限に止めるため心筋壊死部と健常部の境界領域を救い,重症心不全や心原性ショックへ進展するのを防止するか,また,かかる状態にあるものをいかに治療するかが大きな問題である.
したがって,急性心筋梗塞の治療で最も重要なことは,基本的治療を十分に行い,いかなるとき,どのような薬剤を用いるか,すなわち薬剤選択の基準と使用時期である.
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