今月の主題 酸塩基平衡の異常
病態生理
代謝性の異常—代謝性アルカローシス
平井 正志
1
,
大井 元晴
1
Masashi Hirai
1
,
Motoharu Ooi
1
1京都大学結核胸部疾患研究所・臨床肺生理学
pp.795-797
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219021
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代謝性アルカローシスは,H+の喪失か重炭酸イオン(HCO3-)の過剰蓄積かの原因により起こるが,生体に過剰のHCO3-を投与しても,腎からの排泄増加のため容易には代謝性アルカローシスにはいたらない.
アルカローシスの成立,維持にはさまざまな因子が存在するが,臨床的には細胞外液量の低下の有無により,Cl-反応性(細胞外液量減少),Cl-不応性(細胞外液量正常か増加)に分類される.尿中Cl-はCl-反応性のものは10mEq/l以下,Cl-不応性のものは20mEq/l以上を示す.
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