今月の主題 新しい栄養療法
栄養アセスメントと治療計画
栄養療法の種類と適応
畠山 勝義
1
,
小山 真
1
,
松原 要一
1
,
武藤 輝一
1
Katsuyoshi Hatakeyama
1
,
Shin Koyama
1
,
Yohichi Matsubara
1
,
Terukazu Muto
1
1新潟大学医学部・第1外科
pp.24-27
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218845
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
栄養療法という概念で最初の報告は,1946年Gamble1)がブドウ糖の輸液により尿素としての窒素喪失を50%減少させたことに始まる.この効果はブドウ糖によるprotein sparing effectと呼ばれたが,その後の研究により脂肪やアミノ酸もそれぞれ単独でこの効果のあることが証明されている.またアミノ酸と糖質,アミノ酸と脂肪の組み合わせでも同様である.しかしながら,これらはあくまでも体蛋白の異化を節約してはいるが蛋白同化にはならない.これに対し,protein anabolismはアミノ酸と代謝に必要以上の十分なエネルギー源が必要であり,このような状態では体重増加や体蛋白の増加が得られることになる.
いずれにせよ,現在では三大栄養素のどの1つを除外しても栄養療法は論ぜられないほどになっており,バランスのとれた,しかもprotein anabolismのための栄養補給が究極的な目的となろう.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.