臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
XII.癌
癌の合併症の対策
246.癌による水腎症に対する対策
阿曽 佳郎
1
Yoshio Aso
1
1浜松医科大学・泌尿器科
pp.2652-2653
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218787
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子宮,直腸,膀胱など種々の骨盤内臓器の悪性腫瘍の尿管への浸潤,圧迫などにより水腎症が惹起されることは臨床にたずさわるものがしばしば経験するところである.両側の尿管が閉塞されれば,早晩腎不全-尿毒症に陥り,これが死期を早める要因となる.とくに閉塞には感染症がつきものであり,水腎症に感染が加われば腎不全はさらに悪化する.したがって癌による水腎症に対しては早期に適切な治療が必要である.こういった水腎症の原因となるのは多くは進行癌であるから,一般に根治的な手術は適応とならない.延命効果をねらって侵襲の少ない手段が施行される.以下に2症例を提示し,癌による水腎症の治療法について述べる.
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