今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
抗生物質使用時の留意事項
紺野 昌俊
1
Masatoshi Konno
1
1帝京大学医学部・臨床病理
pp.1855-1859
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218496
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抗生物質の使用にあたって留意すべき2つのこと
中検レベルで若い臨床医の細菌検査依頼伝票を見ていると,いろいろな薬剤の感受性を調べて欲しいという指示が多い.おそらく,使用している薬剤との因果関係を知りたいということと,これから使用したい薬剤との関係を知りたいということの切実な要求に基づくものであろうが,指示された薬剤の中には,すでに調べられている他の薬剤の感受性から類推され,それ以上調べても無駄と思えるもの,あるいは,調べて欲しいという薬剤は商品名で書かれているが,一般名としてすでに感受性は調べられているものなどもある.
しかしながら本邦では,抗菌物質に限らず,薬にはすべて一般名と商品名があり,ある場合には,これらの名称より化学名の方がより知られているものもあり,さらにこれらにそれぞれ略号がついているとなると,少なくとも臨床医は一般名と商品名と略号の3つを使い分けなければならず,これほど情報過多の時代に,さらに本来は覚えなくてもよいこれらの3つの名前の使い分けを強いられているのは,何とも不合理なことで,不勉強とばかりは責められないのである.
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