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胆汁酸と病気(1)—腸肝循環の病態生理(対談)
大菅 俊明
1
,
多賀須 幸男
2
Toshiaki Osuga
1
,
Sachio Takasu
2
1筑波大学・臨床医学系(内科)
2関東逓信病院・消化器内科
pp.1000-1015
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218319
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多賀須 今日は,熱心に胆汁酸を研究しておられる大菅先生にお話をいろいろうかがいたいと思います.
胆汁質という言葉は近頃はあまり耳にしなくなりましたが,Hippocratesと並ぶ古代医学の巨人であるGalenus以来,胆汁は重要な体液のひとつとされてきました.しかし胆汁の主成分のひとつである胆汁酸は,最近まで臨床家からは縁遠い存在であったように思います.胆汁酸をDemarçayが発見したのが1838年ということですから,調べてみると緒方洪庵が大阪に適塾を開いた年です.取り扱いが面倒なこの物質が随分古くから知られていたことに驚かざるを得ません.
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