天地人
スキンシップ
天
pp.1339
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217861
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3時間待ちの3分診察で,「先生,今日はしかじか待ちました」と愚痴った患者がいた.「お坊さんのように,高血圧の人を100人ならべて,いちどきにお説教できれば,われわれも楽なんですが」となだめたところ,いくら待っても,先生にさわってもらえば,それでよいのだと,その患者がいった.
確かにその通りで,今どき聴診などしても,どれほどの情報も得られないように思うが,そのことによって患者に与える安堵感は格別なものなのであろう.事実,自分が病気になって聴診器をあてられると,それが日頃ヤブだと思っている友達の医者の場合であっても,なにか身内を探られているような気がするものである.
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