今月の主題 カルシウム代謝の基礎と臨床
臨床
骨粗鬆症
中井 瑠美子
1
Rumiko Nakai
1
1東京大学医学部・老年病学教室
pp.1214-1215
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217839
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骨粗鬆症はマトリックスと骨塩の比率は変わらず,その両者ともに減少している,すなわち骨量の減少している状態と考えられている.本症はクル病や骨軟化症と同様に単一の疾患ではなく,種々の原因により発症した状態の総称であり,通常表1のごとく分類される1).
primary osteoporosisは原因不明のもので,いわゆる閉経後または老人性骨粗髪症と呼ばれるものに相当する.一方正常人の骨量の減少は40歳以降の男女,とくに女性に多く見られ,この生理的骨量の減少と病的骨量の減少をどう考えるかは問題のあるところであるが,実際に認められる骨量の減少が,生理的骨粗鬆化の範囲を越え,さらに臨床的にも腰背痛を訴える場合は,閉経後または老人性骨粗鬆症と診断すべきであろう.以下primary osteoporosisについて述べる.
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