カラーグラフ 臨床医のための内視鏡—パンエンドスコープ
圧排・粘膜下腫瘤・処置
池上 文詔
1
,
関東逓信病院・消化器内科
,
東京消化器病研究会・有志
Fumiaki IKEGAMI
1
1関東逓信病院・消化器内科
pp.2122-2123
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217554
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隆起性病変をみた時に,まずこれが病的なものであるのか,あるいは生理的な状態であるのかを知っておくことが大切である.一般には,粘膜性,粘膜下,外部よりの圧排の鑑別は必ずしも容易とはいえない.しかし,粘膜面に変化はなくとも,変形・圧排により食道,胃,十二指腸以外の病変の存在が示唆されることは,日常稀ならず経験することである.したがってわずかな隆起も軽視しないで,解剖学的位置関係を十分に認識して,病的な所見であるか否かを判断すべきである,今回はよく見られる生理的な変化もあわせて供覧する.
さて本シリーズも本号にて最終となったのであるが,これまでは内視鏡診断について解説を加えてきた,現在では,内視鏡は診断上の有力な武器であることに止まらず,処置治療の分野への進歩,発展にも目覚ましいものがある.当院における内視鏡検査件数の推移と処置,治療について表示したが(表),パンエンドスコープ件数の増加とともに処置件数も増加し,多種多様にわたっている.
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