今月の主題 肺機能検査から疾患肺へ
各種肺疾患と機能検査
呼吸不全
鶴谷 秀人
1
Hideto TSURUTANI
1
1国立療養所南福岡病院・呼吸器科
pp.2096-2098
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217547
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呼吸不全の概念
呼吸不全をいかに定義するかについてまだ完全な意見の一致をみていない.呼吸不全とは「呼吸機能障害の結果,動脈血ガス分圧が異常値を示し,それがために生体が正常な機能を営みえない状態」をいう.これは国療呼吸不全研究会(1975〜)で用いているものであるが,現在最も広く使用されている笹本の定義(1969)と,Campbellの定義(1965)を合わせたものである.前者には"呼吸機能障害の結果"という条件はなく,後者には,"それがために……"より以下の項目はない.共通しているのは,「動脈血ガス分圧が異常値を示す」という点で,動脈血ガス値が得られなければ呼吸不全と診断できない.
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