今月の主題 出血とその対策
血尿
下部尿路出血
小川 秀彌
1
Hideya OGAWA
1
1関東逓信病院・泌尿器科
pp.812-813
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217170
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上部尿路とは腎および尿管,下部尿路とは膀胱および尿道のことであるが,これら尿路からの出血は一般に血尿ということで認識されている.
一口に血尿といっても肉眼的血尿から顕微鏡的血尿,純血尿と血膿尿,あるいは症候性血尿や無症候性血尿などさまざまな病態を呈し,しかもやっかいなことに,同一疾患でも種々のかたちの血尿をきたすことがある.たとえば膀胱癌における血尿は,肉眼的血尿の場合も顕微鏡的血尿の場合もあり得るし,感染を伴えば血膿尿にも症候性血尿にもなり得るといった複雑性を有している.また,泌尿器科疾患のうちで血尿をきたし得るものは多岐に渡り,逆に血尿をきたさない疾患をさがすことのほうがむずかしいほどである.
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