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女子の下部尿路結石
岡 直友
1
1名古屋女子醫學專門學校皮膚泌尿器科
pp.222-226
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200127
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緒言
周知の如く.女子の下部尿路結石は男子のそれに比してはるかに少く,統計的報告の2・3を引用して參考に供すれば,田村氏(日泌22卷4號171,昭8)は第33回日本泌尿器科學會宿題報告で,本邦の症例を總括して.膀胱結石は男子778例,女子8.9例(男:女=87:1)なるをあげ,その他高橋・楠・戸澤氏(東京)(日泌30卷2號122,昭6)は膀胱結石の男女比は14,7:1.尿道結石のそれは22:1を,市川氏ら(東京)(日泌34卷6號376,昭18)は膀胱結石の男女比7.0:1,尿道結石のそれは12:0を,遠藤・安岡氏(四國)(皮紀要38卷3號165,昭16)は99例の膀胱結石中女子は6例(男女比16.5:1),尿道結石は男子31,女子0を,また松見氏(大連)(皮科紀要モノグラフ:泌尿器科學研究叢書第3輯,17)は膀胱結石の男女比33:7(=4.71:1),尿道結石のそれは10:1をそれぞれ報告している.なお松見氏の論文にみるに.膀胱結石の諸家による男女比は88〜85%:12〜15%を擧げたるものが多く,男女差の大なるものでは98%:2%なる報告もある,尿道結石に至つてはその比は更に大で,報告例のほとんどすべては男子例であるという.もつとも,上部尿路についても症例數は男子にやゝ多く,市川氏らによれば腎膀結石男女比2.6:1,輸尿管結石のそれは4.8:1とされているが,下部尿路にては男女の出現差がはなはだしい.
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