他科のトピックス
ステロイド外皮用剤の功罪
籏野 倫
1
Hitoshi HATANO
1
1国立埼玉病院
pp.348-349
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217058
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よく知られているように,副腎皮質ステロイド(以下ステロイドと略)は強力な抗炎症,抗アレルギー作用をもっており,皮膚科方面では外用として湿疹,皮膚炎群をはじめ炎症性皮膚疾患に対して優れた効果を発揮している.しかしステロイドのもつ生物学的な活性が増強されればされるほど,皮膚組織に及ぼす影響も著しくなって,遂には二次的病変がひき起こされるようになる.もっともステロイドの有する薬理作用によるものばかりでなく,適応症選択の誤まり,あるいは乱用によるもの,さらにその基剤の影響も無視できない例もあることはいうまでもない.
ステロイドは皮膚疾患を治療するために全身的投与も行わなければならぬことは他科疾患に対する場合と同様であるが,この場合,卓効を示す一方では,周知のようなさまざまな副作用を呈することもさけて通ることはできない事実である.
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