今月の主題 糖尿病診療の現況
発症機序
遺伝
三村 悟郎
1
Goro MIMURA
1
1琉球大学保健学部・第1内科
pp.11-13
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216982
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糖尿病の発症機序を論ずる場合,その背景にある遺伝をさけては通れないといえる.糖尿病の遺伝学的研究は1930年以降よりはじまり,表1に示すように常染色体劣性遺伝,優性遺伝,多因子遺伝と変遷を経て,今日インスリン依存性糖尿病(insulin dependent diabetes, IDD)と非依存性糖尿病(insulin independent diabetes, IID)の遺伝機構が異なっているのではないかという考えが提唱されるに至ったが,糖尿病の遺伝機構は依然として遺伝学者にとって悪夢であるというNeelの提言のように,完全には明白となっていない.
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