臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIV.女性性器疾患
卵巣出血 VS 腸間膜動脈塞栓
望月 眞人
1
Matsuto MOCHIZUKI
1
1神戸大学医学部・産婦人科
pp.2166-2167
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216924
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なぜ鑑別が問題となるか
両疾患はともに激しい腹痛を突発する重症腹部疾患である急性腹症に含まれるが,おのずからその症状に軽重がある.たとえば腸間膜動脈塞栓ではただちに手術をしなければ生命の危険があり,予後も一般に重篤である.これに反し,卵巣出血は症状が軽く,しばらく経過を観察したほうがよいこともある.したがって急性腹症においては,どの程度の救急を必要とするかを鑑別することが大切で,とくに腸間膜動脈塞栓の対策には,このことがきわめて重要な問題となる.
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