臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VII.神経・筋疾患
脳出血 VS 脳梗塞
田崎 義昭
1
Yoshiaki TAZAKI
1
1北里大学医学部・内科
pp.1996-1997
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216847
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鑑別の必要性
脳卒中にはいろいろな病型があるが,中年以上で鑑別が間題になるのは脳出血と脳梗塞である.ことに脳出血は,血腫部位により手術適応の症例もあるので,その疑いがある場合には,CTあるいは脳血管撮影などにより早期に確定診断を行い,治療方針を決定すべきである,脳梗塞は脳血栓と脳塞栓に分類されているが,動脈硬化が進行した患者では,虚血性心疾患の合併も多く,また心疾患がなくても脳までの動脈壁にできた血栓が遊離して脳塞栓を起こすこともあるので,両者の臨床的鑑別は困難なことがある.したがって,中年以上では脳梗塞という総括的診断名を用いるのが一般的である.
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