増刊号 包括医療と臨床検査
第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
1.脳梗塞・脳出血
木村 友美
1
,
内山 真一郎
1
1東京女子医科大学脳神経センター神経内科
pp.971-977
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101555
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はじめに
脳血管障害の治療,管理に当たっては,神経症候の的確な把握とともに,各種の補助検査を駆使して,脳卒中の病型や原因を正確に診断する必要がある.脳血管障害には多くの病型や原因が存在し,鑑別すべき疾患も多い.
1990年に提唱された米国NINDS(National Institute of Neurological disorders and Stroke)の脳血管障害分類第3版1)(表1)が現在,最も普及した臨床病型分類と考えられる.
特に脳梗塞においては,血栓溶解療法や脳保護療法などの超急性期治療法,抗血栓療法などの急性期治療法などの検討が進むにつれ,臨床病型(アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症,ラクナ梗塞,その他の脳梗塞)の鑑別が重視されるようになった.脳卒中診断のアルゴリズム2)を図1に示す.
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