臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VI.代謝・栄養障害
糖尿病性下痢 VS カルチノイド症候群
竹本 忠良
1
,
沖田 極
2
Tadayoshi TAKEMOTO
1
,
Kiwamu OKITA
2
1山口大学医学部・第1内科
2山口大学医学部・内科
pp.1986-1987
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216843
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なぜ鑑別が問題となるか
両疾患とも本邦においては稀な疾患といわざるをえない.重症糖尿病患者の多い欧米では剖検例の0.65〜1.4%にカルチノイドが認められ,一方カルチノイド症例の76%に下痢が認められる.この点に両者の鑑別上の必要性が生じる.両者とも下痢症状の発現が突発的である.このような下痢症例に遭遇した場合,通常よく経験される過敏性大腸症候群などを考えながら,頭のどこかに本タイトルである糖尿病性下痢やカルチノイドを思い浮かべることが必要である.
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