演習 放射線診断学
神経放射線学・4
脳血管障害(3)—クモ膜下出血(動脈瘤と動静脈奇形)
古川 宏起
1
,
前原 忠行
1
Koki YOSHIKAWA
1
,
Tadayuki MAEHARA
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.1588-1594
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216723
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クモ膜下出血というのは一つの病態を示しているにすぎず,的確な診断名とはいえない.その原因を追求してこそはじめて診断に到達しうる.クモ膜下出血をきたす最も代表疾患は脳動脈瘤,脳動静脈奇形,高血圧,脳動脈硬化性疾患である.そのほか,頻度は少ないがモヤモヤ病,脳腫瘍,頭蓋内感染症,全身血液疾患などもその原因疾患となりうる.
クモ膜下出血の原因を追求する上で,放射線検査は重要な地位を占める.ここでは脳動脈瘤,脳動静脈奇形を中心に,放射線検査の進め方,診断法について述べることにする.
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