図解病態のしくみ 消化器疾患・9
下痢(2)
松枝 啓
1
Kei MATSUEDA
1
1国立病院医療センター・消化器内科
pp.130-135
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216383
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はじめに
前回は,正常な状態における腸管の病態生理やEnterosystemic Cycleなどについて述べた.これらの状態が種々の原因により障害され,便が1日量200g以上排出される状態を下痢と定義した.この下痢を起こす原因および病態生理を知ることは合理的な治療方針をたてるうえで不可欠であるが,ポイントをおさえた病歴の聴取と,便の性状,脂肪便の有無,便のpHや便中の白血球数を調べるなどの簡単な検査を行うことにより下痢の原因が判明することが少なくない.本号では,これらの種々の原因によって起こる下痢について,以下の項目に従って述べてみる.
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