今月の主題 内科医に必要な精神科の知識
対策と治療
不眠症の治療
大原 健士郎
1
1浜松医大精神神経科
pp.1352-1353
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216043
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はじめに
不眠は精神科領域の患者に限らず,どの種の患者にもよく認められる症状である.しかも不眠だけを訴える患者は稀で,他の訴えを伴っている場合が多い.不眠の背景は種々さまざまであるにもかかわらず,患者の悩みが不眠症に集約されている場合が多いことを考慮して,基礎疾患は何であるかという検索を十分にすることが大切である.
不眠の型を症状別に分類すると,最もしばしばみられるのは,入眠障害である.続いて多いのは,夜半にしばしば覚醒するという睡眠の持続障害である.次に多いのは眠りが浅くて夢ばかりみると訴える熟眠障害である.このほか,しばしばみられるものとして早朝覚醒(うつ病)がある.また,日中に眠り,夜間に入眠できないという睡眠リズムの障害や,睡眠時間の短縮をそれほど苦にしない躁病のようなものもある.
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